サロン開業コラム
2018/10/04
エステティシャンとしての経験を積み、自分の技術やノウハウに自信がついてきたとき「独立」を考える方もいるでしょう。エステサロンの開業はときに、簡単と言われることもあります。しかし、いくつかのポイントを押さえておかないと、失敗のリスクを負いかねません。この記事ではエステサロンを開業したときに陥りやすい落とし穴と、独立のためにサロンオーナーとしてすべきことをご紹介します。
いざエステティシャンとして独立したはいいものの、「失敗した」と嘆く声が聞かれることも多々あります。実際にサロンを開業した人を苦しませる、悩みの種にはどのようなものがあるのでしょうか?
もっとも多く挙げられる失敗に、集客がうまくいかないことがあります。開業後すぐであれば、まだ認知度が低いだけだろうと多少の諦めもつくかもしれません。しかし、いつまで経ってもお客様が一向に来ないのには、サロンになんらかの問題があるからでしょう。
たとえば「立地」です。街中の一角で都市型のサロンを開きたいという方もいれば、郊外でゆったりとした空間づくりを夢見る方もいるはず。一度出店してしまえば、なかなか土地は変えられませんし、じっくり検討する必要があることは言うまでもありません。
しかし場所によっては、お客様に選ばれないばかりか、まったく目につかない可能性もあります。たとえば50、60代の住民が多い土地で、10、20代の女性向けにサービスを展開していても、なかなか集客にはつながらないはずです。立地はサロンのコンセプト、ターゲットをもとに決定する必要があります。
「立地はいいはずなのに」という場合、スタッフのスキル不足も考えられるでしょう。エステティシャンの未熟さや施術が最新でないことに気がついたお客様は、たとえ立地がよくてもリピートしようとは感じません。最近ではサロンの口コミ評判を簡単に調べられるようになり、足を運ぶ前から技術の良し悪しを知ることもできます。
こうした理由から新規のお客さんが来ない・リピーターがつかない状態に陥り、集客難へ。結果、経営が安定することもなく1~3年ほどで廃業へ追い込まれるサロンは多くあります。
独立後の平均年収は500万円~数千万円とも言われていますが、開業すぐの収入はあまりに不安定。サロンの開業に必要なものが、スキルだけではないことは上述したとおりです。立地やコンセプト、ターゲッティングなど、営業・経営センスも問われることになります。
収入は完全出来高制になるため、開業資金を借り入れる場合などは「返済するだけの稼ぎがない」という事態に陥る可能性もあるでしょう。集客において「これが正解」という絶対の答えはないため、試行錯誤をしても成果が現れないことなどはざらにあります。サロン勤務のときより多く収入が得られたとしても、そのほとんどは経費に消えてしまい、働いている時間に見合わないことも少なくありません。大きなプレッシャーを抱えながら、軌道にのるまでは赤字の覚悟も必要になります。
エステサロンの6割は、開業から1年たらずで閉店するとも言われる世界です。独立に向けては、入念な準備を怠らないようにしましょう。安定した経営を目指すとき、サロンオーナーがとるべき6つの行動をまとめました。
エステサロンを立ち上げる第一ステップが、コンセプトメイクです。コンセプトというと内装や施術メニューの方向性などがイメージされますが、より具体的な「クライアント像」の想定も、経営成功のための重要な鍵を握っています。
性別や年齢、どのくらいの年収か、抱いている悩みなど、サービスを提供する相手の姿を明確にしましょう。そこから実際の施術内容、価格帯、内装などを導き出します。たとえばターゲットを「30代前半・女性・パート・平均的な年収」とした場合、高級志向の内装やメニューを提供するより、手の届きやすいサロンのほうが喜ばれるかもしれません。
近年は初期費用を比較的かけずに独立できることから、自宅でサロンを開業する人も増えてきました。子育てや家事との両立がしやすく、経営者にとってはメリットが多いようですが、利用者にしてみればそうとも限らないのが実情です。「エステサロンに求める非日常感がない」などの理由から、抵抗を抱く人もいます。
このとき需要になるのも、コンセプトメイクを徹底的に練り上げること。たとえ住宅であろうと「まるで自分のためのサロンのよう」と思わせることができれば、リピーター獲得も不可能ではありません。ターゲットの目線に立ったサロンづくりを心掛けましょう。
エステティシャンとしての経験はあっても、経営者として立ち回るのは初めてという方がほとんどかもしれません。いちから集客するにはどうすればいいのか、わからないことも多いでしょう。もちろん自力で勉強したり、セミナーへ通ったりして、方法を模索することも大切と言えます。ただし、できるだけ早く集客に結び付けたいという場合は、「異業種交流会」を活用するのも一案です。
ここで行うべきは、同じような利用者層を持っている人と知り合うこと。マッサージ師や整体師、医者、心理カウンセラー、リフレクソロジストなど、自分と同様にセラピストをしている人へ積極的に声をかけてみてください。その後は知り合ったセラピストの方と、「お互いの施術を体験」し合ってみましょう。スキルに納得のうえで、お客様を紹介してもらう関係を築くためです。
「その人からの紹介なら〇%オフ」「さらに友人を紹介したら、次回のエステは半額」といったサービスを設けると、紹介・リピートの連鎖を狙うことができます。もちろん自分のサロンへ来たお客様へも、必要に応じて知り合ったセラピストを紹介。ウィンウィンの関係を築いていきましょう。
予約が常に埋まった状態を保つためには、新規客の獲得に躍起になるよりも、リピーターを増やしていくほうが賢明です。そのために必須とも言えるのが、お客様の個人情報をまとめたリストです。ここに記載しておきたいのは、名前、電話番号、メールアドレス、アレルギーの有無、肌の悩み、現在使っている化粧品など。来店時に紙に記入してもらい、施術内容やコミュニケーションに役立てましょう。
さらに施術中に聞き出した情報も、お客様が帰ったあとにファイルへ追記。「甘い香りよりも爽やかな香りが好きと話していたから、柑橘系のアロマをブレンドする」など、次回の来店時に活用します。そうすることで「このサロンは自分のことをよくわかってくれている」という信頼感・特別感につながり、ファンになる可能性が高まります。
開業直後はあまり意味がないように感じるかもしれませんが、自サロンの売上額は継続して記録、データ化するようにしましょう。週間、月間、そして年間と、ある程度まとまったデータを見たときに、売上パターンが見えてきます。「何曜日は予約が入りづらい」「何月は毎年売上が落ちる」とわかっていれば、ピンポイントに対策を講じることも可能です。
若年層をターゲットする場合は特に、インターネットでの訴求に力を入れるべきです。ネット広告を出すとなると10万円ほどの予算を見ておく必要がありますが、ホームページを作成するだけであれば無料でもできます。個性を出しつつ、コンセプトに合ったサイト・ブログを目指しましょう。チラシなどでは情報を公開しにくい自宅サロンも、ホームページなら気軽に運用できるはずです。ホームページだけでなく、Twitter・Instagram・facebookほかSNSも、集客ツールとしてうまく活用してみてください。
新規顧客に比べてリピーターは獲得のためのコストがかからず、エステサロンの安定した経営を担う重要な存在となります。しかし実際には、「次回の予約をせずに帰ってしまう」「他店に浮気をされてしまう」といったオーナーの声も少なくありません。代表的なリピーター獲得方法としてクーポンなどの特典がありますが、あまり割引を多用しすぎると、獲得コストがかからないリピーターならではのメリットが損なわれます。
もちろんクーポンやポイントカードなども、サロンに繰り返し足を運んでもらう有効な手段です。そのうえでダイレクトメール、あるいは手書きのはがきなどを活用し、サロンへ愛着を抱いてもらいましょう。ここでもお客様の情報リストが役立ちます。「ご来店ありがとうございました」といった定型文だけではなく、一人ひとりに合ったメッセージを入れることがポイントです。
誕生日にはクーポンのプレゼントとともにお祝いレターを送付。「自分のことを見てくれている、特別なサロン」だと認識してもらうために有効な方法です。経費をつぎ込んで新規顧客が増えるとは限りませんが、リピーターは大切にすればするほどサロンの将来性に直結します。
新規エステサロンの6割が1年も経たずに閉店すると述べましたが、3年後になるとじつに9割が閉業。開業自体はそう難しくなくとも、生き残るには賢い経営戦略が不可欠な世界とわかります。上記6つのポイントを徹底していても、大きな難関が立ちふさがる日が来るかもしれません。
「サロンを開業したものの、集客がうまくいかない」「独立を予定しているが、コンセプトメイクに不安がある」という方は、エイチフォーにご相談ください。フランチャイズシステムで集客のお手伝いをさせていただくとともに、全国展開する大手脱毛サロンで培った経営ノウハウをお伝え致します